SDGs研修プログラム

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イベント報告

2024.11.21

NPOのSDGs全国調査プロジェクト学び合いワークショップを開催しました!

NPOのSDGs全国調査プロジェクト学び合いワークショップを開催しました!の写真1

NPOのSDGs全国調査プロジェクト学び合いワークショップ
「脱炭素? ゼロカーボン? 今地球に何が起きている? 私たちに何ができるの?」

昨年度から当法人として参画している一般社団法人SDGs市民社会ネットワークプロジェクトとして、
さまざまなセクターとのSDGsの学び合いを企画しました。

今回のテーマは「脱炭素」。
長野県では、高齢化や人口流出に起因する地域交通の衰退もあり、ひとり一人の生活を守るうえで車は欠かせない存在です。さらに、目に見えず、身近に感じにくいエネルギーやCO2について考えたり、脱炭素の効果がすぐに実感できません。しかし、現在の世界的な気候危機の主要原因の一つである温室効果ガスを抑制するためには、企業、行政、個人、が同じ危機感を共有し、アクションすることが必要です。
本講座では、気候危機に大きな影響を与えているCO2について学び、それぞれのアクションにつなげます。アクションは団体として、個人として両方の切り口で考え、互いのアイデアを共有することで、相乗効果が出せるようなものになることを想定しました。

 

■日  時:111() 14:0017:00
■会  場:豊科学習交流センターきぼう(安曇野市)
■対  象:安曇野市周辺の企業、市民活動団体、関心のある市民等
■参加人数:15(登壇者含む)
■講  師:長野県環境保全研究所 浜田崇さん、長野地域脱炭素推進協議会 岡田義彦さん
       事例提供 株式会社角藤 砂原浩明さん
■共  催:一般社団法人SDGs市民社会ネットワーク

■内 容:
ゲストトーク①「気候変動とその影響」 
長野県環境保全研究所 浜田崇さん
 浜田さんからは、温室効果と地球温暖化のメカニズムという基本的な知識からインプットしていただきました。気候変動への対策にはCO2削減の緩和策と今後の気温上昇に適応できる対策の二つがあると浜田さん。

 長野市に目を向けてみると、猛暑日は増加し、冬日は減少していますが、実は年間の降水量はあまり変わっていないそうです。ただし、1日当たりの降水量50mm以上の日が出現する頻度は上がっていて、雨が降らない日も増えています。これをどう読み解くのか?考える必要がありそうです。
 また、県内の農作物への影響も出てきていて、りんごの栽培に適した場所は減る傾向にあり、松枯れ被害や大雨の増加に伴い土砂崩れの危険性も上がっています。雷鳥が消滅するという予測もあり、熱中症で救急搬送される人は21世紀末には12倍、スキー場の来客数も減少すると言われています。安曇野市では、ワサビ農場にも影響がありそうです。
 さて、私たちの目に見えないCO2、どうやって感じたらよいでしょう?浜田さんはバッグを3つと1㎥の枠を準備してくれました。1㎥の空気の中にどのくらいのCO2が入っているでしょう?答えは7c㎥で濃度は0.041%です。では、1㎥の箱全部がCO2だったら?イメージが少し膨らみます。また、日本の1家庭から出るCO2の重さは?3つのカバンを持ってみて当ててみます。答えは10kg。では、先ほどの1㎥の箱がいくつになりますか?
 家庭から出るCO2の総量やその中で何が多いのか?など具体的な数字を見ながら、自分事としてとらえるきっかけになったでしょうか。

ゲストトーク②「自分でも出来る 温暖化防止~カーボンニュートラル」」
長野地域脱炭素推進協議会 岡田義彦さん

岡田さんからは、企業を中心に集まってできた「CO2見える化」の事業についてのインプット。企業もCO2を大量に排出しています。それを見える化し、削減に向けての目標設定や実現のための道筋を示し、CO2を排出しない企業活動を促進しています。
今や企業のSDGs推進や社会貢献は学生が就職先を選ぶ時にも大切な視点です。そのため、企業向けに人事採用責任者向けの勉強会を開催しています。
企業も社会貢献なしには生き残れないということでしょうか。もう一つ企業として取り組んでいる事例を株式会社角藤からも提供いただきました。角藤では、地中熱ヒートポンプによる空調施設を公共施設等に設置する取り組みをしています。現在県内で50か所近く稼働しているそうです。その仕組みは一般家庭にも広がっているそうです。
後半は、ひとり一人の生活の視点での話です。岡田さんはお寿司の映像を映し出し、今のまま温暖化が進むとこれが食べられなくなるかもしれない、さらには、オリーブオイルの生産量半減やアサリの激減、トウモロコシの収穫量が減るなど私たちの食生活にも大きな影響があることを話しました。温室効果ガスのおよそ1/3は食料システムから排出されているとのこと、自分たちの暮らしのあり方から変えなければ、まずは、自分たちの周りの人たちと「気候変動」や「脱炭素」を話題にしましょう!!と訴えました。

ワークショップ 「自分たちにできることを考えよう!」
休憩をはさんで、グループに分かれての意見交換。

その① 気候危機から守りたいものはなんですか?
浜田さんから皆さんに対しての問いです。
子どもたち、高齢者など身近な「人」、日本の四季やおいしい食べ物、野生生物などがあがりました。また、子どもたちの未来という声も。自分のこととしてとらえることができる問だったかもしれません。

その② 個人で、団体で(企業で)できることを出してみよう!!
★個人で・・
 生ごみのたい肥化
 公共交通を使う
 自宅をオフグリッドに
 車を電気自動車に
 エコ運転
 宅配便の再配達を減らす
 浜田さんの出演するオンライン教育プログラムの開発     など
★団体(企業・行政などで)
 気候変動対策に熱心な首長さんとそうでない首長さんの交流会
 ヒートポンプ利用の建築物を増やす
 シェアリングエコノミーの推進             など
中には米をはじめとする農業にCO2は不可欠なので、単に脱炭素するのではなく、それらの吸収源を大切にするという意見やみんなで脱成長を話題にしようという発信もありました。

まとめ
 最後に浜田さんから「今日、ここで見たり聞いたりしたこと、みなさんとの意見交換で得た新たな視点などを周りの人たちと話し、地域に広めてもらいたい。自分の子どもたちの未来を守るために『よし!!明日からやるぞ! 』という気持ちを持ち帰ってもらいたい」という言葉をもらいました。アンケートからもまず自分にできることから始めたいという感想もあり、それぞれに気づきがあったようです。